昔から首肩、腰痛があると「牽引治療」をするところがあります。
最近ではあまり聞かなくなりましたが、未だにあるようです。
私たちの治療院では「牽引治療」(引っ張る様な治療)は禁忌事項です。
なぜ、いけないのかお話していきます。
つい最近「半年前から坐骨神経痛で立っているのも、歩くのも辛い」という方が
来院されました。まだ、20代前半の方です。
その方は「今まで肩こりも腰痛もなかった」と言います。ですが、原因は必ずあります。
お話を聞くと「コロナの影響で2年間在宅勤務で、ほとんど動いていない」という事でした。
長時間の座り仕事が毎日続き、お尻から太ももにかけて、強い痛みと痺れが出てしまったのです。
さらに「半年前から整形外科でマッサージと牽引治療をしている」という事でした。
ですが、一向に症状は良くならず、むしろ悪化していったと言い
痛み止めの薬も徐々に強い薬に変わっているという事でした。
では、何で牽引治療をするのか、するとなぜ悪化するのか?
例えば、「椎間板が潰れてしまっている」「頚椎、腰椎の圧迫によって神経が圧迫されている」といった理由です。
神経が圧迫されているから、伸ばすという考え方は分かります。
ですが大きな理由としては、「神経は引っ張られる力に弱い物質」だからです。
神経は引っ張りの力が加わると痛みの感覚が麻痺してしまうのです。
なので、牽引治療後は凄く楽になった気分になるのですが
もちろん、感覚が戻ってくるとまた痛みがでてきます。
ここで、一番問題なことが「神経と一緒に関節や筋肉までも引き伸ばされている」ということです。
関節というのは、重力を身体に受けて、くっついている状態が正常で
反対に、引っ張られて関節が緩んでしまうことは異常なのです。
関節が緩むことで筋肉の張りが強くなります
すると坐骨神経を圧迫する力が強くなり痛みが悪化するのです。
何も知らなかったその方は、この話を聞いてとても驚いていました。
私は、半年間も毎週牽引治療をしていたと思うとゾっとしてしまいます。
その方は、当院に来院してまだ数回しか治療していませんが
少しずつ痛みが落ち着き、立てる、歩ける時間が増えてきました。
当院では牽引とは真逆、「押圧で関節を安定させる」矯正をしています。
関節が安定すれば、周りの筋肉の張りがとれ、痛み痺れをとることができます。
牽引が良い悪いや、治療についての記事は様々あり
みなさんもやって良いことなのか、悪いことなのか分からない事があると思いますので
一度ご相談いただければと思います。
toreta整体院/整骨院 山崎